field notes
バブル時代のボディコンを着た女性たちと困惑する学生を描いた、当時の熱量と文化の違いを伝えるモノクロのイラスト。

バブル時代の色たち

The Story

山奥の田舎で育った私は、18歳で東京の学校に進学し、そしてすぐにファッションモデルの世界に入りました。

もちろん何もかもが初めてのことばかりだったのだけれど、とりわけ強烈な印象だったのが目に飛び込んでくる色でした。
それまで私の生活にあった色は3色だけだった。草木の緑、土の茶色と空の青。
私は”田舎の三原色”と呼んでいます。

右も左もわからぬまま私が飛び込んだ日々は、色・色・色。この世の全ての色が全部集まったような色の洪水に押し流されているようでした。ファッション誌もろくに読んでいなかったので、それまでの3色以外のバランス感覚が足りなかったかな。
私はその後クリエイターになるわけですが、この色の土台のような感覚はずっと尾を引くことになります。いかに環境が重要か、ということがわかります。

ファッションモデルの世界の色はまた別のこととして、バブル時代の話は、あの時代を経験された方々はわかると思います。

狂乱の時代に存在した色たちは、今のこのくすみカラーの時代にはもう見ることもありません。色と音の竜巻に巻き込まれ、空高く吹き飛ばされながら、私たちはそのエネルギーも同時に感じて、ケラケラと笑って過ごしていたのです。
ずっと下に落ちないと思っていたし、このままもっと高いところに持ち上げられていくんだろうと、誰もが信じていたんじゃないでしょうか。

くすみカラーも素敵だとは思いますが、たまにあの画材店を丸ごとぶちまけたような色の、お祭りみたいな世界が懐かしくなることがあります。
私たちは、生きるエネルギーがくすまない世界に生きなければと思います。心の中は赤も緑も黄色もごちゃ混ぜにして前に進んで行こうよ、と。

私は色とりどりの服を着てモデルたちが歩くランウェイのフィナーレを思い出します。今では全く違う道を歩いていますが、どれも私が歩いていく先に現れる道なのだと思います。
まっすぐな道ではないですが、曲がった分だけいろんな色がついてくるような気がします。

長い間買い集めた何十色もの色えんぴつや、ペンなどを箱にしまわないで私は目に見えるところに置いて、目に色を飛び込ませるようにしています。

きっと人それぞれの歩く道があって、どの道も色や音が溢れて、いろんな人たちと一緒に歩いていく道ができるのでしょう。
綺麗で楽しい色を心の中に自由に散りばめられるのは、自分だけだから。

明日という日の色を自由に、カラフルに飾っていきましょう。

Visual Story Details

Subject:ワンレンボディコンの女性と、それを見つめる大学生の女性を描いた、モノクロのコミックイラスト。

Mood:懐かしさと高揚感が入り混じる、エネルギッシュで色彩豊かな記憶の温度。

Theme:バブル期の色の洪水と、現代のくすみカラーの時代を対比させ、心のエネルギーをくすませずに生きることへの問い。

Artist:Kazue Shima (Visual Story Artist)

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